コンタクトセンターへの問合せを自動応対するボイスボットサービス「CTC-AICON」を提供する伊藤忠テクノソリューションズ株式会社様。PBXや基幹システムとの柔軟な連携、作り込みができるため、規模の大きなコンタクトセンターを持つ企業に多く利用されています。サービスリリース当時はGoogle社のSpeech-to-textのみを利用されていましたが、 AmiVoice API を追加で採用されました。採用に至った背景と効果について、同社CTC-AICON主管部門の市村 尚寛様に伺いました。
課題・背景
ボイスボットで氏名が漢字変換され
CRM等に連携できないという課題
本ボイスボットサービスは当初、コンタクトセンターでのコスト削減のニーズに対するソリューションとして開発することになったのですが、コンタクトセンターの採用が難しくなってきている現在においては、CX(顧客体験)やEX(従業員体験)にも効果のあるソリューションになっており、抜本的な改革として導入されるケースが増えています。
ボイスボットはテキスト化した音声を元に意図理解を行いエンドユーザーと応対を行うため、音声認識の精度は回答精度を左右する重要な要素となります。
リリース当初はGoogleのSpeech-to-textのみを利用しておりましたが、Googleの場合は氏名が漢字に変換されるため、CRM等で氏名が一致せず、氏名の活用は難しいという状況がありました。また、クラウドサービスではセキュリティ要件を満たせないお客様もおりGoogleではオンプレミスによる環境構築ができないことが悩みでした。
しかし、AmiVoice APIでは汎用エンジンで「かな」での認識結果が取得可能な点とオンプレミスでの構築が出来ることがわかり、AmiVoice の採用に至りました。
導入の効果
かな情報取得により氏名の認識精度が大幅に向上
ボイスボットフローの中で氏名が漢字ではなく「かな」情報として取得できるため、本人認証等における氏名の認識精度が大幅に向上しました。結果として8割以上の精度で認識に成功しています(※)。
そのほか、単語登録ができる点も良いと感じています。固有名詞などを登録できるため、「商品名・サービス名」、「カスタムネーミング」、「独自用語」のテキスト化精度を向上させることができました。
料金面でも無償枠があるため比較的安価に利用できています。
また、オンプレミスでの構築が可能であるため、クライアントのセキュリティ要件・運用要件を確認したうえでオンプレミスでの構築が望ましい場合はAmiVoice API Privateを提案できるようになりました。
現在では、AmiVoice API、AmiVoice API Private(オンプレミス)とGoogleのSpeech-to-textをお客様のニーズによって切り替えて提案しています。
※AmiVoice APIでは汎用エンジンで音声認識結果に読みがな情報を付与できますが、AmiVoice API Privateでは氏名に特化した氏名エンジンがご利用いただけます。こちらは姓と名のみを学習させているため、より高い認識精度が期待できかつ全てカタカナで表示できます。
今後の展望
他社より高い自動応答率、高いCXを実現していきたい
他社より高い自動応答率、高いCXを実現する多機能ボイスボットとして「CTC-AICON」の機能拡張/展開をしていきたいと考えています。
そのためには精度の向上が必須となるため、AmiVoice APIと連携することで当社の事業も成長するような良い関係を築いていければと考えています。
サービス概要
CTC-AICONはボイスボット黎明期(2016年頃)にリリースしたソリューションで、音声領域の自動応答としてはパイオニア的立ち位置となります。当社は元々コンタクトセンターシステムのベンダーとして多数のお客様にPBXを始めとしたソリューションを提供しており、多くのナレッジを保有しています。そのため、ボイスボットとコンタクトセンターシステムを連携させることで、より複雑な応対への対応が可能となります。CTC-AICONの導入効果の一例としては以下のようなものがあります。
■企業目線
・呼量が削減されることで業務効率化の促進
・コールバック等を組み合わせることでリソースの平準化
・OPの負担になる応対をボイスボットに置き換えることでEXの向上
■企業目線エンドユーザー目線
・24/365応対が出来ることによる応対時間の拡大
・混雑時でも繋がるコンタクトセンターの実現
・直感的な操作による利便性の向上

社名 | 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 |
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事業内容 | コンピュータ・ネットワークシステムの販売・保守、ソフトウェア受託開発ほか |
URL | https://www.ctc-g.co.jp/ |