車両のナンバープレート認識を利用した来店管理システム販売を主軸とする株式会社ピー・エム・シー様。AmiVoice API 採用の背景と効果について、ITソリューション事業部システム開発課 係長 大塚 功貴様に伺いました。
音声認識利用の背景・課題
お客様とサポートセンターの通話内容の確認に限界
当社はカーディーラーなどの商業施設向けに、車両のナンバープレート認識を利用した来店管理システムのほか、ナンバープレート認識を使った工場や駐車場向けの入退場管理システムや、QRコード、RFID(電波を用いて無線でデータを読み取る)などを使用した入退場管理システムも販売しています。
当社のシステムをご利用いただいているカーディーラーの店舗スタッフからの問い合わせをサポートセンターで受けているのですが、業界的にチャットツールやメールフォームなど電話以外の連絡手段を使っていただけないので、電話でのやりとりの重要度がかなり高くなっています。
入電数の少ないうちは録音データを聴いてお客様への対応に問題(NGワード、やりとりがかみ合っているかどうかなど)があるかを確認していたのですが、入電件数が多くなるにつれて録音データを聴く作業が追いつかなくなり、全件確認ができなくなっていました。そこで通話をテキスト化しそれを確認することで1件あたりの作業時間を短縮しようと、録音データのテキスト化を行うことにしました。
導入の決め手
イントネーションの違いやフィラーがあっても正確に認識
音声認識を導入するにあたって他社のサービスとも比較したのですが、AmiVoiceが圧倒的に優れていると感じたのは、イントネーションやアクセントの揺らぎへの耐性と、フィラー(あー、えーと、などの言葉)が他の単語にくっついて別の単語になることなく、フィラーとしてちゃんと認識されるところです。また、単語登録機能が便利で、自社のサービス名や自動車業界特有の用語を登録することにより、文字起こしの際に単語がちゃんと表示されるところが気に入っています。複数人での会話での話者を特定する「話者ダイアライゼーション」機能、音声から感情がわかる「感情分析機能」も使用しています。
実装にあたっては、提供されているサンプルプログラムにコメントがしっかり記載されているので、それだけで実装することができました。一部、オプションの感情分析機能などサンプル化されていないものについては、Webサイト上の公式ドキュメントだけで実装することができました。サンプルソースがかなり端的でわかりやすかったので、全体的につまづく部分がなく実装できました。他社のサービスだと、バージョン違いできちんと動かない場合や、エラーメッセージがドキュメントと異なることが多々あるのですが、それがないというのは非常にありがたかったです。
導入の効果と今後の展望
通話のテキスト化により人的リソースの最適化が実現
サポートセンターでは、通話時間が5~20分程度のものを1日10~20件程度対応しています。サポートセンターとお客様との通話はクラウドPBXに録音して蓄積されているのですが、その録音データをテキスト化して内製のCRMにデータとして記録しています。
今までは通話内容を聴いて確認するのに専任のスタッフを割り当てていましたが、テキスト化することにより、NGワードの解析に使用したり、ChatGPTを使用して会話要約のソースに使用しています。このように自動化したことで、専任のスタッフがかけていた作業時間を他の業務に充てることが可能になり、人的リソースの最適化を図ることができました。
社名 | 株式会社ピー・エム・シー |
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事業内容 | 車番認識システム開発・販売、カーディーラー・駐車場向けソリューションほか |
URL | https://www.vehiclevision.jp/ |