コールセンターにかかってくる問い合わせに、音声で自動対応するサービス(ボイスボット)を提供する岩崎通信機株式会社様。AmiVoice API Private採用の背景と効果について、クラウドソリューション営業部の方に伺いました。
音声認識利用の背景・課題
金融機関向け災害時用ボイスボットサービス
金融機関であるお客様より、災害時の被害状況を自動受付するサービスを立ち上げたいとの相談があり、ボイスボットのサービスを開発することになりました。
災害時には電話が殺到し、あふれ呼(オペレーター数が足りなかったり回線以上のコール数によりビジー状態となり受け付けられない電話)が発生してしまうことや、営業時間外受付が必要になることも想定されます。
そういった場面に対し、人の手によらず対応できるようにすることが目的でした。
当初、パブリッククラウドでのボイスボットの提案も検討しましたが、コストや機能面で要件を満たすものがなく当社のIW-SmartAssistantというボイスボットのサービスをカスタマイズして提供することにしました。
コストを抑えるため、サービスを構成する電話回線、音声認識等には全てクラウドAPIを利用することにし、音声認識には氏名エンジンが使えるAmiVoice API Privateを採用しました。
導入の決め手
「氏名のカタカナ変換」の実現と高い認識精度への安心感
今回のボイスボットでは電話をかけてくる方の氏名を音声認識しカタカナで表示するという要件がありました。
各機能はクラウド調達を前提としていたため、Google社の音声認識なども選択肢にありました。
ただ、当社ではAmiVoiceのコールセンター向けのパッケージ製品(AmiVoice Communication Suite)の利用・導入実績が多くあり、その信頼性や認識精度の高さをすでに実感していました。
そのため、「日本人の氏名をカタカナで音声認識する」という用途で考えるとAmiVoiceが真っ先に頭に浮かび、安心して採用することができました。
デモ環境をご提供いただきPoCを行うことで、お客様が認識精度を体感できていたというのも大きなポイントだったかと思います。
導入の効果と今後の展望
スムーズな開発で当初の予定より開発期間を大きく短縮
AmiVoice APIは、クライアントライブラリとサンプルプログラムがGitHubで公開されており、これらを参考にリソースを活用することでスムーズかつ迅速に実装を進めることができました。
また、質問や疑問点が生じた際にはWebにてサポート窓口も用意されており、丁寧なサポートを受けることができました。
おかげで当初の予定より開発期間をだいぶ短縮できましたし、その結果お客様との対話に十分な時間を割くことができ、お客様の業務フローに即したサービスが完成できたと考えています。
自動応対でサービス品質向上や担当者の負担軽減に
災害発生時は電話が集中しますが、一次ヒアリングなど簡易的な受付はボイスボットで対応することにより、あふれ呼の対策や営業時間外の受付も可能であるため、お客様へのサービス品質向上につながります。
また、事前にコール集中が起きることを想定して計画的にボイスボットを用意しておくことで、緊急時にも慌てることなくコールセンター担当者の負荷軽減にもなると考えております。
今後の展望としては、2023年4月にコミュニケーションクラウドのブランド「Blue Commpaas」をリリースしたのをはじめ、今後もコールセンターやオフィスユースを想定し、コミュニケーション系のクラウドやAPIを活用したサービスをリリースしていく予定です。
通信機器メーカーであり音声系サービスが得意な当社にとって、音声認識は非常に相性の良いソリューションです。今回の利用で培った開発ノウハウや経験を活かし、当社サービスにAmiVoiceを積極的に取り入れていきたいと考えています。
社名 | 岩崎通信機株式会社 |
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事業内容 | コールセンター向けSI、情報通信分野における機器の開発ほか |
URL | https://www.iwatsu.co.jp/cloud/ |